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グッズ制作インタビュー
コアラーメン&レッサーパンダーメン

今回は東山動植物園の公式商品「コアラーメン」、「レッサーパンダーメン」です。今回も私西川が、おもむきラボの平口氏に制作エピソードを中心に、色々とお話を伺いました。このインタビュー記事は発売直前に行われたものに、一部加筆訂正を行っております。

西川
西川

今回はラーメンですね!早速ですが、なぜ敢えてラーメンだったんでしょうか!?

コアラファンの方々には既にお馴染みかもしれないのですが、実はコアラーメン自体は以前からありまして、更にその前でいうと、コアラファンの方もご存じないかもしれませんが、ゴリラーメンがあり(笑)これが第1弾だったんですね。

この時は、パッケージデザインとカード制作のみのお手伝いでしたので、ラーメンについてはノータッチでした。最後の最後で、シャバーニの手形を入れることを思いついて、それでデザインOKをいただいたと記憶しています。

平口
平口
ラーメン第1弾の「ゴリラーメン」
西川
西川

コアラにゴリラ・・・
「ラ」で終わる動物ということですね。

当時のゴリラ(シャバーニ)ブームに、鉄板コアラですから奇跡的な組合わせですよね。

前回までは、ゴリラーメン、コアラーメンというお題が決まっていてデザインをご提供するだけでしたので、特に難しいことはなかったのですが、今回は色々な経緯から、一度今までの流れはリセットして、改めてラーメンを企画し直すというご依頼だったため、少し戸惑いもありましたね。

平口
平口
西川
西川

戸惑いと言いますと!?

前回のコアラーメンの売行きなどは、だいたいお聴きして把握をしていたので、それを下回るような結果にはできないということと、今回はデザインだけではなく中身(麺・スープ)の手配や梱包なども全て弊社にお任せをいただくということで、多少のハードルは感じていました。

あと、そもそも本当にラーメンで良いのか!?ということも感じており、正直、確信が持てていなかったのもありますね。

平口
平口

西川
西川

なるほど、守備範囲が拡がったんですね。そうなると売れないと厳しいですよね・・・

そうなんです・・・なので、誰をターゲットにしたら良いのか!?ということから見直しを行いました。

ひとまずパッケージ加工を担当していただく会社様に相談をして、色々な意見を出し合うところから始めました。ファンの方にも意見をお聴きしました。

結果、コアラーメンを如何にして前回以上の売れ筋商品にもっていくか!?ということになり、そこから制作メンバーでコアラ舎など園内を視察して少しずつイメージが湧き、案が出てくるようになりました。

実は7月から企画はスタートしていまして、本当は秋まつりには間に合わせる予定で考えていましたが、気がついたら9月くらいになっていて、コアラファン向けなのか、数年に一度来園されるライト層の親子向けなのかで揺れていました。

平口
平口
西川
西川

なるほど、そこが決まらないと、デザインなども決まらないですよね??

そうなんですよね、パッケージはもちろん、カードの仕様なども、東山に足を運んでくださっているファンの方々にも響くものにする小学生低学年のお子さんにも喜んでもらえるものにするのかでは、全然変わってきてしまいますからね。

平口
平口
初期のパッケージと中敷き案
西川
西川

そこからファン向けに舵を切ったのにはどんな経緯があったんでしょうか!?

当初、まだターゲットが確定していないときは、中敷きも親子で遊んでもらえるようなものにするとか、お面にするとか、色々アイデアが出ていました。

ただ、両方のターゲットに響くものというのは基本的に存在しないと思っていたので、ターゲットはどちらかに決めてデザインも寄せなければなりません。

恐らくですが、東山動植物園の年間来園者数などを踏まえると、コアラファンの数よりも、親子の数の方が多いのではないかと思います。数だけを捉えると、今回は失敗ができない背景があるので、本当に悩みましたね。

どちらにしても、パッケージをスリーブにして、遊び心ある形で見た目を愉しげにすることだけは決めていました。

これはパッケージ制作会社様の発案で、見た瞬間にこれを活かしたいと思いました。

平口
平口
西川
西川

なにごとも万人受けというのは確かに難しいですよね。両方が中途半端になってしまう気もします。

ふと、以前に企画した35周年のコアラ缶バッジのガチャを思い出したんですよね。過去東山に在籍した全コアラの缶バッジというちょっとクレイジーな企画だったんですが、これはもうコアラファンのためといいつつも、全63個もあってコンプリートは不可能に近いので、よく考えたらコアラファン泣かせな企画だし、ひょっとしたらお叱りやクレームをいただいてしまうかもしれないと覚悟していたんですが、思いのほか好評で、深掘りを重ねた結果、愉しんではいただけたのかもしれません。

あるとき、東山にこの企画商品に対するお礼のお手紙をいただいたそうで、当時の担当者さんが情報共有してくれたんですね。来園のたびにガチャを回してくださって、今は会えなくても過去に実在したコアラに思いを馳せてくださったりして、そういうことに繋がったのだとしたら凄くありがたいなと。

そもそも弊社は個体グッズに力を入れていますので、ここはやはり東山に沢山いるコアラ達をふんだんに盛り込んだ方が、弊社が関わらせていただく意味があると思いました。親子向けなら弊社でなくてもできるはずだと。

平口
平口
西川
西川

なるほど!そういう事ですか。御社のつよみにもマッチしていそうです。

コアラファン向けと決まってからは割と早くて、パッケージにも全コアラを登場させるとか、色々イメージが湧き、みるみるうちに固まっていきました。

初期のパッケージ案(上記画像)は、顔が隠れがちでファンの方からすると、顔がもっと見えた方が嬉しいのでは!?など、様々なこだわりが出てきて、結局、パッケージの修正は入稿期限ギリギリまで変更につぐ変更でした(笑)

それと付属のカードも、当初は前回同様、全個体分を作る予定はありませんでしたが、コアラファンの方々がターゲットになった以上、全個体作らないといけないと思いました。

平口
平口
西川
西川

大分こだわりポイントがみえてきました。コアラファンにも喜んでいただけそうですね。

これはコアラーメンだけでなく、レッサーパンダーメンにも共通しているのですが、これらの商品の最大の付加価値は、商品を通じてコアラ愛やレッサーパンダ愛を感じることができる。これに尽きると思います。

というのも、パッケージ・カードに登場する個体の画像はほぼ全てファンの方からご提供をいただいたもので、それはもう惚れ惚れとする素敵な画像ばかりです。その素晴らしい素材によってこの商品は成り立っています。

平口
平口
西川
西川

発売後の反響が楽しみですね。

レッサーパンダーメンについても教えてください。
というか、コアラーメンだけではなかったんですね??

実は味を2種にするというのはロットなどの事情もあり、最初から決まってはいたんですね。ただ、コアラーメンと、もう一つを何ラーメンにするかは暫く未定のままでした。

なのでコアラーメンが決定してから、レッサーパンダーメンが決まるまでには結構時間がかかっています。

最初はコアラ以外の動物たちをまとめたラーメン(笑)みたいに着地点のみえづらい状態が続きました。

平口
平口
当初の企画ラフ案
西川
西川

確かにコアラ以外にも、人気動物は沢山居ますからね。

動物ランキングなども参考にしようとしましたが、これは私の企画力不足ですね・・・

コアラーメンのパッケージがそれなりに固まってきた頃に、じゃあ同じテイストでやってみてはどうかということで、どちらからともなくレッサーパンダに決まりました。ショップ様にもレッサーパンダ商品を充実させるという意向がおありだったかと思います。

ただ、レッサーパンダーメンというネーミングは、他にいくら考えても良いのが思いつかなかったのと、意外と考えすぎずにインパクト重視で良いのでは!?的な考えですね^^;
画像を提供してくださったファンの方の一言も後押しになりました。「やはりレッサーパンダーメンか」的な(笑)

平口
平口
西川
西川

インパクトあっていいんじゃないでしょうか!?

それと、各ラーメン付属のカードについてもう少し教えてください。

こういうオマケは愉しめる要素なので、とても大事ですよね。

コアラは11頭ですけど、レッサーパンダは4頭なので、急遽、レッサーパンダのカードだけ種類を増やすことにしました。これ決まったのが11月後半だったと思います。。。

カード作成はなかなか重厚な作業でして、以前のイケメンチップスのときの感覚が蘇ってきました^^;
ファンの方々が発信されている情報はとても参考になりました。

今後は、個体が増えた場合も柔軟に対応していくつもりです。シークレットなど企画しても良いかもしれません。

売行き次第になってしまいますが、カードだけでなくパッケージもバリエーションを増やすなど、ファンの方に永く愉しんでいただけるものにしていきたいと考えています。

平口
平口
西川
西川

なるほどラーメン以外で楽しめる部分が沢山ありますよね。

肝心のラーメンについてお伺いします。コアラーメンは醤油味、レッサーパンダーメンは豚骨味となっています。

この組み合わせに特に深い意味はありません。豚骨は、コアラよりレッサーパンダの方が合っているとデザイン案を見て思ったから。それだけですね。

平口
平口
西川
西川

味の方は実際どうなんでしょうか?

はい、今回は麺・スープも弊社で調達ということでしたので、かなり検討を重ねました。相当な数の試食を重ね、納期からすると、かなりギリギリで決まりました。

当初は全国のメーカー様を当たっていたのですが、なかなか前回と同じ仕様・条件で実現の目処が立たず、パッケージ制作だけ進んで中身が決まらないという(笑)焦りの時期がありました。もう10月半ばに差し掛かっていたかと思います。

散々探したのですが結局見つからず、最終的にはパッケージ制作会社様のご紹介で、全てイメージどおりの形に収まりました。本当に助かりました。。。

平口
平口
西川
西川

これで、見た目も中身も充実した商品ができましたね!
今後の思いなどもあれば併せてお聴かせください。

そうですね、今回のラーメン企画については、継続商品として永く愛される商品にしていきたいと考えています。

そのうち、第三のラーメンを企画できるように続けていきたいです。

あとは毎回ついつい思ってしまいますが、発売直前や発売後間もなくに、動物たちの移動などがありませんようにと祈っています(笑)こればっかりは仕方がないですけどね。

平口
平口
西川
西川

私もコアラーメン、レッサーパンダーメンの成功を祈っています。東山動物園に行ったら買いたいと思います。

最後に一言どうぞ。

この商品を手に取っていただいた皆さまには、これを機にコアラやレッサーパンダが好きになったり、より動物たちを知る機会になれば、一メーカーとして本望です。

最後になりましたが、企画を受け入れてくださったズーボゲート様、当初から最後までデザインや加工に関してこちらのわがままに対応してくださった制作会社様、そして画像を提供してくださったファンの皆さまに心より感謝申し上げます。また告知の際に反響をくださった皆さまからのお声がいつも励みになりました。本当にありがとうございます。

平口
平口
西川
西川

ということで、本日はありがとうございました!

こちらこそ、ありがとうございました!!

平口
平口
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グッズ制作エピソード
「マスキングテープ」

【東山動植物園オリジナルグッズ】新作続々!マスキングテープ

東山動植物園には、園内のショップでしか買えないオリジナルグッズがあるのをご存じですか?

そのひとつが「マスキングテープ」。手帳をデコったり、アルバムに貼ったりと、いろいろな使い方ができる人気アイテムです。

動物たちの写真やイラストを使った東山のオリジナルマスキングテープは、動物園好きや文房具好きにおすすめできる自信作!大人にも子どもにも人気のおみやげです。

オリジナルマステの開発秘話をお届けします!

写真マステはベストショット揃い

東山オリジナルマスキングテープには、動物たちの写真を使ったものと、イラストを使ったものがあります。

写真シリーズに使っているのは、実際に園内で撮影した写真なんですよ。

といっても、マスキングテープにピッタリの写真を探すのってなかなか大変。テープの幅は、わずか15mmしかありません。

スペースが限られているので、顔がハッキリ見えて、できるだけ正面に近い写真がベストなんですが…なにせ相手は動き回るので、狙って撮れるものではないのです。

制作時は、「これだ!」という1枚を探すために、何百枚という写真から選びに選び抜いています。ときには、ファンの方が撮った写真を提供していただくことも!

ベストショットがそろった写真マステをぜひチェックしてみてくださいね!

ネコ科シリーズに「プリンス」と「プリンセス」が登場!

写真マステの中でも好評なのが、ネコ科シリーズです。

東山は実は、ネコ科の動物の展示が充実していることで知られています。

最初にリリースしたマステは「ネコ科推しメン ーネコ科オス十傑ー」。名前のとおり、ネコ科のオス10頭が並んでいます。

このマステには、ライオンのサン、​スナドリネコのドリオ、カラカルのカールといった人気者の写真を集めました。

発売当時から反響をいただき、うれしかったのですが…少しずつ別の思いがわきあがってきたのです。

ほかの子たちも載せたい!

お客さまからも「あのコは載らないの?」「女の子のマステは作らないの?」という声もいただいていて、心苦しい思いでした。

そこで、ネコ科マステをリニューアルすることを決心。メンバーを増やし、新たに女の子バージョンも作って、「ネコ科推しメン ーネコ科プリンスー」「ネコ科推しメン ーネコ科プリンセスー」が完成しました!

「プリンス」は以前の10頭から13頭にバージョンアップ。たとえばライオンは、以前のバージョンだとサンだけだったのが新たにソラも掲載しました。ソラファンの皆さま、2頭を推してくださる皆さま、お待たせいたしました!

さらにツシマヤマネコのごくう、ジャングルキャットのピリミ、マヌルネコのエルといった新メンバーが登場。カラーもブルーになって、さわやかな雰囲気になりました。

新商品の「プリンセス」には9頭を掲載。ツシマヤマネコのレイラ、スマトラトラのダマイ、サーバルキャットのゆいなど美人ぞろいです!

園内の「ZOOBOGATE」で販売していますので、ぜひ手に取ってみてくださいね。

東山といえば…コアラです!

東山動物園にコアラがやってきたのは、さかのぼること1984年。それからずっと園のアイドルです。

コアラファミリーには毎年のように赤ちゃんが生まれています。さらに繁殖計画によって転出することも多く、ここだけの話ですが、マステのデザインが追いつかない…!

そのため転出が決定した子、転出した子が掲載されていることもあります。

現在販売中のVer.2には、最高齢のクレメンツおばあちゃんから、鹿児島へ行ったインディコ、2020年生まれのワトルまで10頭が並んでいます!

こちらも「ZOOBOGATE」でチェックしてみてください。

新しいアイドル・レッサーパンダ♪

東山動物園では、2021年3月にレッサーパンダ舎がオープンしました。やってきたのはずん、まるこ、令の3頭。マステもさっそく作りました!

…と思っていたら、5月には4頭目のれいかが来園!仲間が増えるのはうれしいのですが、マステはれいかの来園ニュースの前に発売してしまったので、3頭だけなんです。

「マステにはなんでれいかがいないの?」と思われる方も多いと思います。

楽しみにしてくださっているファンの皆さま、たいへん申し訳ありませんが、れいかグッズはもう少しお待ちください。

絶滅危惧種がわかるマステ

イラストのマスキングテープには、東山動物園のオリジナルイラストを使っています。それぞれの種族の個性がしっかり表現されていて、カワイイんですよ!

それに、ただカワイイだけじゃありません。

動物園には、種の保存という役割もあります。そこでマステのデザインにレッドリスト(絶滅のおそれがある野生生物の種のリスト)のランク表示を取り入れ、「絶滅危惧種」が分かる工夫をしました。

よ~く見ると、イラストの横にランクが表示されています。

マークが示す意味はこちらをご確認ください。

おみやげに買っていって「この記号は何?」と聞かれたら、ぜひこのことを教えてあげてください。

このほかイラストレーターさんに描き下ろしてもらったイラストマステもあります。

マステが買えるお店はココ!

東山動物園オリジナルマステは、園内の「ZOOBOGATE」で販売しています。正門から入ってすぐの便利な場所にありますので、ぜひ立ち寄ってください。